CONFERENCE|ACTION for 0 始動!! 〜新しい都市インフラ『GOOD MANNER SPOT』の可能性〜
<概要>
日付:10.30 (木)
時間:15:30 – 16:30
場所:Shibuya Sakura Stage(3F BLOOM GATE)
<登壇>
– 渋谷区 副区長
杉浦小枝
– 東京都市大学都市生活学部 准教授
中島伸
– 明治通り宮下パーク商店会 会長 / 学校法人明泉学園 理事長・学園長
百瀬義貴
– フィリップモリスジャパン合同会社 環境開発部 部長
鶴岡斉
– 一般財団法人 渋谷区観光協会 代表理事/SIWプロデューサー
金山淳吾
「ACTION for 0 始動!! 〜新しい都市インフラ『GOOD MANNER SPOT』の可能性〜」では、渋谷区副区長の杉浦小枝さん、東京都市大学の中島伸さん、明治通り宮下パーク商店会の百瀬義貴さん、フィリップモリスジャパンの鶴岡斉さん、SIWプロデューサーの金山淳吾が登壇。路上喫煙やゴミのポイ捨てといった都市課題に対し、産官学民が連携して取り組む渋谷グッドマナープロジェクトの一環として始動した「ACTION for 0」についてトークセッションを行いました。

ACTION for 0では、渋谷区の路上でのポイ捨て、路上喫煙の定量調査を実施。これによりその実態がデータで示されましたが、調査結果を受けてフィリップモリスジャパン 鶴岡さんは「まちに喫煙所が不足しているという見方もできる」と指摘します。

金山は「喫煙にまつわる社会課題には喫煙者でないとわからない問題も多いはず。対象となるクラスターのニーズに寄り添った解決策を提供することで環境が改善できるのではないか」と提案します。

中島さんはそんなミクロな視点の重要性について、「細かい仮説を立てないと具体的な対策はできない。渋谷のグッドマナーを目指すということだが、渋谷といってもひとつではない。たとえば若者が多くいる場所での施策ならそのぶん実施すべきことも変わってくる」と指摘。さらに杉浦さんも「エリアによって来街者の種類も違う。そこを深掘りしていくとそれぞれの商店街に見合った対策が講じられるはず」と、エリア別の細かな対応の必要性に言及しました。

また、トークセッション中には、東京都市大学の学生たちが考案した「GOOD MANNER SPOT」についても発表が行われました。バッドスモーカーをグッドスモーカーに変え、非喫煙者と喫煙者を分断せず、共存を目指すというこのアイデアに対し、鶴岡さんは「バッドスモーカーという言葉はありそうでなかったので面白い。マナーを守ってもらうことを発信できるGOOD MANNER SPOTのスタートとして非常にいい」と共感を示しました。
中島さんはこのアイデアの背景をこう説明します。
「喫煙が悪だというところから、街の中や社会の中で端の方に寄せていったり、見えにくくさせていくことで課題を見えにくくするという動きが今まで主流だった。そうではなくもっとコミュニケーションを積極的に取りに行くことが課題解決につながっていくんじゃないか。多様な人がストリートにいる渋谷でこういうモデルを作っていけば、社会と喫煙の関係の作り直しができるのではないだろうか?という期待も持っています」
また、話題が「新しい都市インフラとしての可能性」へと移ると、24時間アクセスできる喫煙所の不足や、商業施設内の喫煙所が営業時間内しか使えないという課題も提起されました。
中島さんは都市づくりそのものの考え方について、「今までの都市づくりは機能を空間に割り当てることを考えがちだったが、街の中ではもっと様々な価値や出会い、気づきが生まれる」と指摘。さらに「学びや気づきに出会えたりできるのが街の良さ。そういう価値創造や価値共有ができるものが新しい都市インフラだ」と述べました。

百瀬さんも「何事も楽しむことが必要。そして、ある状況ではマナー違反になることも、状況を適切に踏まえればマナーを守った行動にもできるんだということを、自然に学びとれるような渋谷になれば面白い」と共感を示しました。

実装に向けた課題として、杉浦さんは「受動喫煙防止法により、行政としてここに喫煙所を作ってもいいと判断できる場所が非常に限られている。ただ、これは渋谷で解決していかないといけない課題だと思うので、みんなと一緒に考えていきたい」と率直な思いを語りました。
一方、金山は「渋谷は今、再開発の途中なのですごくチャンスを秘めている。学生さんだけでなく、もっといろんな大人の知恵も入れて、大きなグランドデザインにしていくことでこの喫煙環境の課題を解決できるはず」と展望を語りました。

最後に中島さんは「この新しい都市インフラという考え方が、これからの都市づくりを大きく変えていく。もっといろんな専門性を持った人たちと一緒にディスカッションを重ねていけるといい」と述べました。百瀬さんは「商店会としても仲間がたくさんいる。皆さんと連携を図りながら、一歩踏み出してみたい」と決意を表明。鶴岡さんは「産官学民のプロジェクトというのは渋谷ならでは。GOOD MANNER SPOTを形にして、渋谷から全国に発信していく」と語り、トークセッションを締めくくりました。
渋谷のまちの課題を背景に産官学民連携によって新たに動き出した「ACTION for 0」。今回示された「排除ではなく共存」を目指すアイデアがアイデアでとどまることなくアクションとして結びつくことで渋谷のまちの魅力はさらに高まっていくはずです。
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